ズボラ男の室内着選び。 汚れ・ニオイ・シワ・ムレよ、さらば!
えーー、本稿は以下のような男性に向けて記すものでございます。
1. 家に来客がないのに、きちんとお洒落するほどの意識高い系ではない。
2. 「毎日着替えろ」と文句を言う家族はいない。
3. とはいえ、快適に暮らせて服のケアも楽に越したことはない。
えーー、要するに私と性格が似たズボラ男たちにお話ししたい、
自室内で過ごす毎日の服装選びのヒントです。
人からドン引きされるほど同じ服を着っぱなしでも、
まーバレやしないアイテムのセレクトです。
これでも職業はファッションレポーターやってます。
(ホントですってば)
載せている写真はリアルな部屋着。
なんですけども、仕事柄持ってる服の量が多いものですから、
「いいや、もうこれ家で着ちゃえ」
っていうのが大半。
室内着として購入したのではありません。
一例としてご参考までに。
ではまず最初はこちらから。
★極薄のウールニット★
主な理由:
臭わない。
ポイントはウールであること。
素肌に直接着ちゃうのは、ちょっとした慣れが必要なんですが、
コットンよりぜんぜん洗濯回数が少なくなるんですよ!
なにせ羊の動物繊維ですから天然の抗菌防臭作用があり、
何日着続けても汗臭くなりません。
その効果は、着替えができない登山服のアンダーウエアにウールが使われることからも明白。
汗の吸収発散で体温を適度に保つ性能だけが理由ではないのです。
水滴や油を弾き襟や袖口が汚れにくく、
汚れても表面にくっつくだけなので簡単な水洗いですっきり。
ドライクリーニングなんか必要ありません。
(よほど繊細な質感でない限り)
タグの洗濯表示は、日本では消費者クレームを避けるために「水洗い不可」が多いですけど、
ネットに入れて洗濯機でたいていはOK。
ただし乾燥機は縮みやすいため使用NG。
薄手ニットなら干せばすぐ乾きます。
日頃は奥さんに洗濯を任せているそこのあなた!
パーカやスウェットシャツは、かさばって洗いにくいうえに、
乾かすのも時間掛かるんですよっ。
ニットだと超コンパクトな収納もできるんですよっ。
いますぐウールニットに着替えて、パートナーの負担を減らしてあげましょう。
欠点:
胸が透ける。
ものによりチクチクする。
摩擦と水濡れ状態に弱い糸なので、こすれる箇所が傷む。
★麻のシャツ★
主な理由:
汚れを落としやすい、水に濡れても頑丈。
去年の夏は家でもずっと麻のシャツを着る毎日でした。
汗の吸い込みがよく、風通しがバツグンで、
汚れによる変色が少なく、水洗いでよく落ち素早く乾く。
さらにこの繊維は水に濡れるとより頑丈になる不思議な特性あり。
(貿易港=麻袋ってイメージありませんか?)
温かい季節の作業着や日常着は、麻こそが最適なのです。
繊維に含まれるペクチンの効果で、汚れが内部に染み込みにくためケアが楽。
それだけに色が染めにくく定着も難しいため、濃い色の麻の服を購入すると洗ってドロドロに色落ちして驚くことも。
毎日着る室内着ならダークな色は避けるべきでしょう。
欠点:
シワくちゃになる。
コットンより価格が高め。
モノにより色落ちする。
★ハイテクなソロテックス素材のパンツ★
主な理由:
ムレない、シワにならない。
帝人の広告宣伝力でしょうねえ、化繊のソロテックスの名をメディアでよく目にするようになり、
この生地を使った服も増えてきました。
ただ完全防水をうたうゴアテックスなどと比べると、「手触りがいい」「ストレッチ性に優れる」「軽い」などイマイチ特徴がピンとこず。
「見た目も機能も、ほかのスポーツ素材にありそう」、と。
ところがいざパンツを穿くと良さが見えてきました。
まず、ナイロンのようなムレ感がなく天然素材に近く快適なこと。
化繊特有のパリッとした質感は、パンツをちょいドレッシーに演出します。
なのにしゃがんでも座り続けても、ほとんどシワがつかない。
水に濡れても乾きが早い。
じっさい、Penの仕事で行かせていただいた短期の海外出張のとき、飛行機内を含め5日間これしか穿きませんでした。
(ベッド布団の上で寝落ちする毎日でしたが、ずっとこのパンツを)
ウエストがスナップボタンで、すぐにブチブチ外れる難点があるものの、
近所への外出にも欠かせない服になってます。
Pen Onlineのニュース記事にも掲載されてるので、よろしければ以下のリンクから。
この発想はなかった!ニューバランスをカッコよく見せるためのパンツが新登場
欠点:
やはり見た目は化繊で、スポーツウエアに近い。
それくらいですね。
頑丈さはまだ検証中。
★ソックスで 裸足でサンダル★
主な理由:
足ムレしない。
夏の室内は裸足がいちばんですよ!
湿気が多いんですから、この国は。
ソックス特有の雑菌の繁殖を防ぎましょう。
では室内に最適な履物といえば、やはりビルケンシュトック。
最大の良さは、風呂上がりの濡れた足をも乾かす本革スエードのインソール(フットベッド)。
その下はコルク層で水濡れに強く(ワイン栓のように)、素足をさらさらに保ってくれます。
スエードは足裏とサンダルとの摩擦を生みホールド感を向上させ、足さばきを良好に。
いざってとき屋外に走り出せる安心感も、このサンダルを愛用するメリット。
(近頃はインソールが起毛されていない表革のビルケンもありますが、足裏が滑りやすく歩きやすさには劣るのでご留意を)
欠点:
室内専用はもったいない。
5千円強の一体成型EVA素材モデルもあるものの、水を吸わないからベタつきますし。
軽すぎて、ポンッと脱ぐのにも不向き。
快適な裸足生活のためにはちょい奮発して、通常モデルを選びたいところです。
今回も話が長くなりました。
皆さまのお役に立てたら、これ幸いでございます〜。
写真 © 高橋一史
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